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白日の下で  緒方ゆうか Official Blog Site

イエメンより帰国し念願の日本ライフを楽しんでいます 読んだ事、考えた事などアップしますのであなたの考えも聞かせて下さい。 国連開発計画イエメン事務所で勤務中に書きはじめ、帰国して医学部受験勉強、2015年5月1日からは熊本市議会議員の悲喜交々を綴り中

12月議会閉会日その1

2018年12月27日(木)

今年の第4回定例会(12月議会)が終わった。
今日、閉会日は今議会に上程されている議案について、委員長報告、質疑、討論などが行われたのち賛否が取られた。
私は反対討論1件、賛成討論を1件行った。私の他には共産党さんが補正予算などに質疑や反対討論を行った。
質疑や討論を行ったのは、相変わらず私と共産党さんのみ。

私が反対討論を行った請願はこちら→
http://kumamoto-shigikai.jp/common/UploadFileDsp.aspx?c_id=4&co_id=117&id=44&set_doc=1
(熊本市議会のホームページ)
https://www.facebook.com/1016417538386363/posts/2408890535805716/
(Facebookページ)

この請願は自民党会派の代表が紹介議員になっていたので、賛成多数で可決されると見込まれた。そのような中、ただ座って反対を表明するだけでは、なぜ反対なのかが皆さんに分からないため、反対討論を行うことにした。もちろん、私の反対討論を聞いて、一緒に反対してほしいのだが、現在の熊本市議会では実際に採決をとる日の数日前に事務局に賛否を書面で提出しなくてはならないことになっているため、討論は完全に形骸化してしまっている。それでも、私は「この討論を聞いて考え直してくれるのでは?」という淡い希望を抱いて、また、市民・議員・報道関係・執行部に情報を知らせるために、また時にはプレッシャーを与えるために討論を行っている。

それにしても、この請願は何のデータも根拠も示さず主観や思い込みで書かれており、このような請願を熊本市議会が通してしまうなんて残念でならない。自民党の代表が紹介議員である、という事で多くの議員が詳しく調査したり深く考えたりすることもなく賛成してしまっている事に、恐ろしささえ感じる。流行言葉で言えば「思考停止」に見える。

結局、私と共産党の計4人のみが反対だった。

不思議なことにその日のNHKの全国ニュースで、犬猫へのマイクロチップ注入を促進させようとするようなニュースが流れた。今、環境省は犬猫へのマイクロチップ注入を拡大しようとしている。今日の請願のタイミング、あの様に主観的内容のものが通ってしまう事も何か関連があるように思えてしまう。ともあれ、国が進める事も、何事も、一見良さそうに見える事も、長期的影響をしっかり考えて判断する必要があると思う。

反対討論の内容はこちら。
請願第9号、「熊本市内における捨て犬と捨て猫の防止を官民が連携して取り組むための請願」に対して反対の立場で討論をいたします。この請願は菊池郡菊陽町の動物愛護団体ドッグレスキュー熊本というところより提出されております。内容はマイクロチップの導入を市の条例とする事と、その費用の助成です。

ご承知の通り、これは、15桁の数字情報を載せたマイクロチップを動物の体内に埋め込む事です。そして、例えば、スーパーのレジにあるバーコードを読み取るような読み取り機で動物の体をスキャンすると、その番号が読み取れるという仕組みです。別途、その番号の動物の飼い主が誰であるかを登録しておくと、動物が迷子になった時に飼い主の元に戻しやすくなるという事で、アメリカなどで一つの方法として普及しています。

もちろん、迷い猫と迷い犬は全て飼い主の元に戻したいです。が、しかし、マイクロチップを体内に埋め込むという方法、そしてそれを熊本市の条例として費用を助成する事には反対です。
なぜなら、まず、マイクロチップ注入が動物へ害になりうるからです。マイクロチップが普及しているアメリカでは、マイクロチップを体内へ注入することにより腫瘍ができた例が多数報告されています。他にも、必ずしもすべての読み取り機で読み取れない場合があることや、マイクロチップが体内で移動する事があることなどがこの方法の短所として挙げられています。

また、熊本市が新しい業務として行う場合、人員・設備投資によって相当の予算を要する事も考えられます。マイクロチップの注入は獣医の資格があるものが行いますが、実際の登録手続きはどうするか?事件・事故などで突然飼い主がいなくなる場合もあり、登録の変更の手続きなどを動物愛護センターが担う許容量があるのか。どのようなシステムが必要になるのか。個人情報の管理、読み取り機の設置など、相当の業務量と設備投資を要する可能性があります。そして、その業務量・費用とリスク対効果を考えると、必ずしも優位な方法とは言えません。

熊本市動物愛護センターは、「殺処分ゼロ」を目標に職員が一丸となって取り組み、その取り組みは「殺処分ゼロ―先駆者・熊本市動物愛護センターの軌跡」などという本が出ているほどですし、他の自治体からの視察や、他の自治体への職員の派遣も枚挙にいとまがありません。全国的に見れば、保護された動物に飼い主が見つかった割合は、昨年度は56.5パーセントですが、熊本市では約82パーセントですから、多大な投資を必要とするマイクロチップ注入が必要とは考えられません。現在の取り組みがすでに功を奏しているので、この取り組みを強化する事が重要であり、「生命を尊ぶ」という目的にも沿った手段です。熊本市では殺処分ゼロを一生懸命に目指しながら、残念ながら殺処分が行われた事もあります。しかし、殺処分が行われている限り、心ある市民は迷子の動物を動物愛護センターに保護してもらう事をためらってしまいます。なぜなら良かれと思って保護してもらっても、もし万が一飼い主に巡り会えなければ殺処分の憂き目に合う可能性があるからです。この可能性がある限り、動物愛護センターへの届け出が減り、すなわち飼い主と巡り合う確率も下がってしまいます。殺処分をなくし、迷い犬・猫は積極的に保護し、動物愛護センターが迷い犬や猫を保護している場所であることを知らない方も大勢いらっしゃるので、このことを徹底的に周知し、引き取りと譲渡を100パーセントに引き上げるという対策が求められます。全国に先駆けた取り組みをおこなってきた熊本市の動物愛護センターだからこそ、できることではないでしょうか。命を尊重するのであればその「方法」も命を尊重したものでなければならないと思います。

この請願の中の情報が不正確である事も気になります。請願の中に「「殺処分ゼロ」を掲げたことにより、犬猫を安易に捨ててしまう飼い主が出る事も予測されており、実際にその傾向も見受けられています。」とありますが、全く根拠が示されておらず、1974年から取られている環境省の統計データは逆の傾向を示しています。熊本市の殺処分ゼロの動きに触発されて、全国的に殺処分ゼロの取り組みが広がる中、動物愛護センターが引き取る犬と猫の数は一貫して減少しています。引き取り数が2000年(H12)には全国で55万7千頭だったものが、減少し続け、2017年度には10万千頭にまで減少しています。殺処分も2000年に53万頭だったものが、2017年度には4万3千頭と10分の1以下に減少しています。一方で、飼い主の元に戻される返還と新たな飼い主に譲渡される件数は年々増加し、2000年には返還・譲渡率がわずか4.5パーセントだったものが、2017年度には56.5パーセントと10倍以上に増えています。これは犬や猫の生命を大切にしようという意識の高まりを反映したものです。

海外に目を転じてみますと、マイクロチップの利用は人にも広がっています。
アメリカではスリースクエアマーケットという自動販売機などを設置する会社が2017年従業員の手にマイクロチップを埋め込み、建物に入る時の個人認証、コンピューターへのログイン、給料の受け取りなどに使い始めました。

イギリスでも、「企業が従業員の体内にマイクロチップを埋め込む」といった動きも現れ始めていますが、イギリスの労働者団体であるイギリス産業連盟(CBI)の広報担当者は、「マイクロチップを従業員に埋め込むという動きは明らかに不快な(uncomfortable)ものです」と述べ、企業の従業員が命令によって強制的にマイクロチップを埋め込まれる危険性があるとしています。(注1)

海外では、動物へのマイクロチップの埋め込みの普及の後には、人への埋め込みが実施されている事も念頭に置いておく必要があるでしょう。

以上、請願第9号に対する反対討論といたします。

出典 注1
https://www.theguardian.com/technology/2018/nov/11/alarm-over-talks-to-implant-uk-employees-with-microchips
2018年11月11日ザ・ガーディアン

その2に続く。。。かな??
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  1. 2018/12/27(木) 23:33:06|
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