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イエメンより帰国し念願の日本ライフを楽しんでいます 読んだ事、考えた事などアップしますのであなたの考えも聞かせて下さい。 国連開発計画イエメン事務所で勤務中に書きはじめ、帰国して医学部受験勉強、2015年5月1日からは熊本市議会議員の悲喜交々を綴り中

“日豪子連れママ議員”対談 

コスタリカ研究家の足立力也さんからの声かけで、オーストラリア上院にて初めて授乳をしたラッリッサ・ヲーターズ元上院議員と、去年の12月に対談しました。記事がアップされたので共有します。記事に掲載されているのは会話のほんの一部ですが、目指す社会像が似ており、話はとても盛り上がって楽しかったです。国は違うけど、気持ちは通じ合えて、世界各地でママたちが子育てに優しい社会をつくるために行動している、と実感しました。

https://hbol.jp/162800

ハーバー・ビジネス・オンライン
2018年03月29日 政治・経済

「私が子どもを議場に連れてきた理由~“日豪子連れママ議員”対談」

昨年11月、緒方夕佳・熊本市議が子連れで議会に出席しようとしたことが大きな話題になった。熊本議会事務局には緒方議員への行動に対する意見が支持・不支持含めて多数寄せられ、市議会は今年3月12日に会議規則を改正。「会議中は乳児を連れての出席を認めない」というルールを定めた。
 一方、オーストラリアには子連れどころか議場で授乳まで行った議員がいる。ラリッサ・ウォーターズ元上院議員だ。彼女たちは何を思って行動にでたのか? 2人の“子連れママ議員”が対談を行った。

報道が市民の反響を呼び、議会が変わり始めた
ラリッサ・ウォーターズ元上院議員:はじめまして! 緒方さんがお子さんを議場に連れていったという報道を拝見しました。その後、何か進展はありましたか?

緒方夕佳議員:乳児を連れての議会への出席はその後認められなくなってしまいましたが、議員活動と子育てとを両立させるため具体的にどういった要望があるのか、議会側が話を聞いてくれるようになりました。例えば、採決と授乳のタイミングが重なった時どうしたらよいかなどです。

 実はそのタイミングが重なって、投票し損ねてしまったことがありました。以前は議会事務局があまり協力的ではなかったんですが、今は子どもに何かあると議場に連絡をしてくれるようになりました。これは子どもを議場に連れてくる前にはなかったことです。


ウォーターズ:メディアの影響は大きかったですか?それともあなたの行動自身が変化の要因? あるいは両方?

緒方:メディアの影響は大きかったですね。報道を受けて、議会事務局には600もの意見が来たそうです。他の議員は当初、私に対して「子どもを議場に連れてきたこと」を理由に処分しようとしていたのですが、反響の大きさに影響されて、処分理由が「議事を40分遅延させたこと」に変わったのです。

ウォーターズ:あら。でもそれはよかったですね。議事をたった40分遅らせただけで、古い偏見に満ちた人びとを変えたんですから。

7か月の乳児を“傍聴人”扱い

緒方夕佳・熊本市議。我が子を議場に連れてきたことで話題となった

緒方:仕事と子育ての両立に悩む女性はたくさんいます。悩んでいるからこそ、賛否両論に分かれたのだと思います。賛成してくれた方は「行動してくれてありがとう」とおっしゃってくれました。
ウォーターズ:私の時も大きな反響がありました。中でも多かったのは「私は子どもを職場に連れて行くことができないから、あなたができるといいですね」というものでしたよ。

緒方:一方で、男女双方から批判も受けました。ある男性優位の職場で働いている女性からは、私の行動が彼女の状況を悪くするとのお叱りも受けました。

ウォーターズ:私にも「議員と子育ては両立できない。片方に集中すべきだ」という意見がきましたよ。「政治家は恵まれているんだから自重しろ」とか。ほとんどが男性でしたが(笑)。

 男性をどうやってこの運動に巻き込むかは重要ですね。仕事と子育ての両立に関して何が問題なのか、目に見える形で表現することで、理解してくれるようになる人もいます。これまで多くの女性たちは、自分たちが抱えている問題を隠すように生きてきました。真実を隠したら、力を持っている人たちが問題を理解してくれません。

 ところで、そちらの議会のルールはどうなっていたんですか?

緒方:議会というのは基本的に男性的で、議場に子どもを連れてくることに関しては今まで何のルールもなかったんです。当初、赤ちゃんを議場に連れてくることを相談した時、議会からは何の反応もありませんでした。実際に連れてくると、事務局は「それはルール違反ではないか。傍聴人は議場に入れないというルールがある」と言い、突然赤ちゃんを“傍聴人”扱いし始めました。

ウォーターズ:バカバカしいですね(笑)。

緒方:ええ。7か月の赤ちゃんが。

ウォーターズ:議会を傍聴していると(笑)。そもそも私は、赤ちゃんのケアをしながら仕事をする権利を訴えたかったのです。


議場で我が子を抱くラリッサ・ウォーターズ元豪州上院議員。議長や多くの同僚たちに祝福されたという

ウォーターズ:私の場合ですが、実は、議場で授乳することは事前にルール化されていたのです。実際にやったのは私が初めてでしたが、私はルールを破ったわけではありませんでした。だから、私が授乳したことに関して、議会では誰も不満を述べませんでした。
 私の同僚たちは喜んでいました。そこが緒方さんとはちょっと違うところでしょうか。子どもをケアする人が自分以外にいない場合は、議場に子どもを連れてくるだけではなく、授乳することもできます。お腹いっぱいになって眠りに落ちたらそのまま抱っこして、おむつ替えが必要な時は別室にて可能です。

 もともと下院のほうが先にルール化されていたのですが、議長は同じルールを上院にも適用することに前向きで、実際そのようになりました。今では

・乳幼児(infant)であること
・子どもをケアする人が他に誰もいないこと
・議事を妨げないこと

 を条件に同行が許されています。

オーストラリアでも起きていた“赤ちゃん退場事件”
ウォーターズ:実は、緒方さんのケースと同じような事件が、2009年にオーストラリアでもあったんです。


 当時の上院議員、サラ・ハンソン・ヤングが2歳の娘を議会に連れてきていた時、突如予期せぬ採決が始まりました。その時娘を見てくれる人が誰もいなかったので、彼女は娘を膝の上に乗せて議場の席につきました。娘はおとなしくしていたんですが、議長が「議場に“よそ者”(stranger)がいる」と言い、「傍聴人は議場から出るように」と命令し、赤ちゃんを外に出さざるを得なくなってしまいました。

 そうこうしているうちに投票が始まってしまい、サラは議場を出ることができなくなりました。赤ちゃんと引き離されてしまったんです。サラにとっては非常にストレスになる体験だったし、オーストラリア社会に対して非常に悪いメッセージを発してしまいました。

 その時の教訓があったからこそ、私のケースでは事前にルール化をすることができました。当時は“よそ者”を議場に入れてはいけないというルールがあったので、議会はそのルールを厳格に適用しようとしたんです。

 ですから、私はそのルールはアップデートされるべきだ、なぜなら子どもは面倒をみられるべきだからだと主張しました。女性議員やその家族を巻き込んだ議論が進められ、今に至っています。その結果、先に述べたような条件のもとで子連れOKになったんです。

議員が率先して行動することの意味

議場で授乳した昨年は緑の党の副代表も務めるなど、ウォーターズ氏は豪州の代表的な政治家のひとりとして知られる
ウォーターズ:国会議員は、他の仕事より融通がきくと思われています。確かにその通りで、その意味で私は幸運だったかもしれません。誰もがそんなラッキーじゃないでしょう。職場改革で赤ちゃんのいる議員に優しい議会にする機会を得たのも、そのためかもしれません。
「私は子どもを職場に連れて行くことができないから、政治家であるあなたができるといいですね」という多くの意見と、「政治家は恵まれているんだから自重しろ」という正反対の少数意見は、どちらも私が議員だったから出た反応だと思います。

 ただ、議会というのは、一般に思われているほど小さな子どもがいる母親に優しい職場ではありません。女性は少ないし、彼女たちも全員が現役の母親というわけではありません。オーストラリアの上院には託児所がありますが、3歳以上5歳以下、9時~17時しか受け入れてくれません。私たちの仕事は拘束時間が不規則だし、決して赤ちゃんや子育て中の親にいい環境とは言えません。

 私たちは、公の場で授乳することを当たり前にしたいのではなく、赤ちゃんをケアするという基本的な権利を行使したいだけです。こちらでも古い考え方だと公の場で授乳するのはよくないとされますが、赤ちゃんがお腹をすかせてぐずり出したら授乳する、ただそれだけです。

 私たち議員は意思決定機関という特別な場所で働いているのですから、意思をはっきり示すことが重要です。それによって社会に影響を与えることができます。私がその役割を担って、多くの女性を勇気づけられたことはよかったと思います。

緒方:私が行動を起こした理由のひとつも、若い母親女性に対して議会をもっとオープンにするためでした。これは世界共通の問題ですね。

政治とは“善き意思”によって前進するもの
緒方:ちなみに、乳幼児とは12か月以下という意味ですか?

ウォーターズ:鋭い質問です。広い解釈をするため、はっきりと齢を決めているわけではありません。授乳した時娘は10週間で今10か月なんですが、将来の議長が、例えば2歳までとか、より厳しい解釈をするか、あるいは4歳までとするか、どうかは分かりません。どれくらい母親に対するサポートが強いものになるか、それが私たちの次のステップということになります。どうなるかはまだわかりません。

緒方:では今後どうなるかわからない?

ウォーターズ:ええ、ただ政治というのは“善き意思”(good will)によって進んでいくものですから、それに期待したいです。私のケースでは、議長が“善き意思”を示してくれましたと感じましたが、理解のない人が議長になったら困りますね。

【緒方夕佳】
熊本市議会議員(無所属)。昨年11月、当時生後7か月の長男を議場に連れてきたことが報道され、賛否両論の大議論となった。

【ラリッサ・ウォーターズ】
元オーストラリア上院議員(緑の党)。昨年5月、生後7週間の赤ちゃんを議場に連れ、同国史上初めて“国会議場で授乳した母親”となって世界的話題をさらった。

<まとめ/足立力也(コスタリカ研究者。著書に『丸腰国家~軍隊を放棄したコスタリカの平和戦略~』(扶桑社新書)など。コスタリカツアー(年1~2回)では企画から通訳、ガイドも務める)>
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